Cold song

ヘンリー・パーセルのオペラ「アーサー王(King Arthur)」の氷の精のアリア「あなたは何の技を(What Power art thou)」でバスで歌われる。俗にいうCold song
thou は thy の格変化したもので you の古い形。
現在も女声やカウンターテナーなどで歌われることが多い。

↑は演奏会形式での演奏。当時の楽器編成に近いものになっていて好感が持てます。
氷の精は白い衣装の男性。

こちらは「アーサー王」全編で、再生は「What Power art thou」の部分から始まるようにしています。
かなりアップテンポで私の好みではありません。

こちらはコミックオペラとしての演奏。この動画は登場人物が看護婦だったり、アリアのあとペンギンが出てきたり、そりから落下したサンタクロースが通過したりと、かなり脚本を弄っててこれまた異端な演出のモダンオペラ・・・・

この動画とノーミの動画とどちらも”r”の発音を巻き舌にしていますが、パーセルの時代の古い英語は現在の他の諸ローロッパ言語のように”r”は巻き舌だったのでしょうね。

Cold Song と言われている謂れはその歌詞と物語にあります。

凍土の中で眠っている氷の妖精を起こしてしまったところ
「何で起こしたんだ、放っておいてくれ」と寒さに震えながら嘆願するからで歌詞の和訳(自動翻訳に基づく意訳)はこんな感じです。

どのような力の術をかけたのか?
それは不本意ながら私を永遠の雪のベッドから目覚めさせ、
あなたはどんなに理不尽なものか。
頑なで驚くほど老いていて激しい寒さに耐えられないのだ。
私はほとんど移動することはできないし、私はまた命を絶ちたい。
私をもう一度凍らせてください。
私をもう一度凍らせて永眠させてください。

このように切実に歌うのですが、生憎ながらすぐに、何を馬鹿なことを言ってるのだと叱られてしまいます(汗)

オペラ『アーサー王』第3幕より
What Power art thou の冒頭部分

若くしてHIVで亡くなったクラウス・ノーミの1982年当時のライブ映像。
この曲が日本に広まった当時はFMラジオで当然ながら映像がなく、視聴者の間で女声か男声かで話題になったことがあります。

おまけ
↓練習用カラオケ(歌パートなし)


↓練習用カラオケ(歌パートあり)

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