ピッキ:Pass e Mezzo

ジョヴァンニ・ピッキ Giovanni Picchi (1571-1643)の作品
Pass e Mezzo はパッサメッツォのことでパッサメッツォ・アンティーコ(Passamezzo antico)というバス旋律による変奏曲。

出典:Intavolatura di Balli d’Aripicordo di Giovanni Picchi: Vincenti, Venezia 1621

パッサメッツォ・アンティーコは古いパッサメッツォ、パッサメッツォ・モデルノは新しいパッサメッツォと言う意味でバス旋律に違いがあります。
このピッキのパッサメッツォは、バス旋律のどこがパッサメッツォなの?と疑問に持たれる方がいるでしょうが、実はよく見るとパッサメッツォのバス旋律に忠実に従っています。
それは数小節にわたって引き伸ばされたバス旋律が使われていて尚且つ自由に一時的に他の和声が潜んでいるため誤解しますがこちらの記事(グリーン・スリーヴスのコード進行について)の譜例で示しているパッサメッツォのそのものです。以下の譜例は括弧で赤い色の音符を囲っていますが、これが引き伸ばされたバス定旋律です。

彼の鍵盤楽器用のパッサメッツォはこの曲の他にパッサメッツォ・アンティーコが2曲、パッサメッツォ・モデルノが1曲ありますが予定はありません。もし手掛けるなら器楽曲の方を1曲するかも。

お口直しにピッチの作品からトッカータの実演。
この曲はフィッツ・ウイリアムバージナル曲集に収録されているもので、ピッチのパッサメッツォよりも前に作曲されたものとされています。

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