ヲシテ文字について

音楽と全く関係のない日本の古代文字の話。
どんな本なのかホツマツアヱの対訳本を読んでみました。(しんどかったw)

ネットで検索すると出てくるヲシテ文献とその文字ヲシテ(ホツマ文字)。
江戸時代中期には存在が確認された神代文字とされていますが怪しさだけが募る代物しろものでした。

ホスま文字基本48字

小笠原長武写本によるホツマ文字の標準字形
(画像:Wikipedia)

ホツマ文字で書かれたこれ等の文書は大和政権に滅ぼされたクニが残した正史が含まれるとされていて、ホツマツタヱに於いては天照大神あまてらすおおみのかみの性別が古事記や日本書紀と逆で、細部にも差異が多々見られます。神代の物語を原則七・五調で綴られた長大な神謡の形を採っています。

どう考えても江戸中期以降(おそらくは明治時代)に作られた創作ではないかと思える理由の一つにその文字系統があります。

まず、現代の私たちが義務教育で習う五十音表の並びをそのまま四十八文字を当てはめていること。
ホツマ文字は他にも文字はありますが、すべてこれらの基本四十八音の異自体で変体仮名と言えます。
対訳本では「ゑ」は「え」「ゐ」は「い」と同音とされていて。今の五十音と同じ解釈です。

実は「わ行」は現在の発音と違ってあ行と同音ではなく、「え」と「ゑ」、「い」と「ゐ」、「お」と「を」は元は別の発音であった事が解っていて、その名残で地方によっては大正生まれの人が少なくとも「お」と「を」を違った音として扱っていた事実がありました。

奈良時代まで日本語の「イ」「エ」「オ」の母音には甲類 (i, e, o) と乙類 (ï, ë, ö) の音韻があったといわれる(上代特殊仮名遣い)。
(Wikipedia)

アイドルグループのAKB48系統が歌詞の中の「お」と「を」の2つの文字を明確に区別するために「を」を「お(o)」ではなく「ぅお(wo)」と便宜上発音している歌唱法は、また別の事情なのでこれらとは関係はない。

発音から来る疑問についてに話を元に戻して・・・・

神代には日本語の母音が現在の五音ではなく、八音だったことが有力視されていて、子音も「は行」は「ふぁ行」だったという說もあります。

日本語において、少なくとも江戸期にはほぼ現在の発音が確立していて、その発音に基づいた文字体系に創作された「ヲシテ文字・ホツマ文字」を当てはめて「やまとことば」で書いたものがをして文章。
古事記や日本書紀が神代の神話の記述を漢文で書かれていること、そしてヲシテ文書が明治時代に突然発見されたという経緯からも偽書と思っても間違いないでしょう。
昭和末期に「オーパーツ99の謎」や「ノストラダムスの大予言の謎」のような創作物と同類です。

さらにヲシテ文書は、ヤマト王朝に滅ぼされたクニの正史として代々隠されてきたとされていますが、ホツマツタヱは明らかに主語は大和政権ですから矛盾しています。

また日本は歴史上有史から現代まで、討滅したクニは吸収する(配下にする)ことはあっても、中国大陸のように絶滅させる事はありません。織田信長の比叡山焼き討ちはクニを滅ぼしたわけでなく、治外法権化した僧兵(今でいうゲリラ)を殲滅したのであって反乱を鎮圧しただけです。

オシテ文字が本物だとしたら、人知れない洞窟やあるいは発掘出土品などにヲシテ文字が残っていてもいいと思います。