寒椿咲いた – 薬師丸ひろ子

結構、昔のポップスもいい曲があると感じるこの頃。
ピンクレディやかぐや姫などを検索していて偶然見つけた薬師丸ひろ子。

女優の薬師丸ひろ子がアイドルだった頃、昭和61年(1986年)に発売された「花図鑑」というアルバム。
なんとなく気になったので借りてきて聴いて「寒椿、咲いた」にびっくり。

「♪夏がくれば思い出す~」で歌い始めるあの曲を作った中田喜直というクラシック界の重鎮が作曲した曲で編曲は松任谷正隆

松本隆による歌詞もすごくて

行方知れずの恋人からの 不意の電話に驚きました
これから行くよと呟く声に 嫌と言えずにただ頷いて

寒椿咲いた、寒椿咲いた
真っ白な冬に くっきりと咲いた

歌詞全文と視聴はこちら

一番がたったこれだけ。
二番、三番も同じ構成ですので、全体の歌詞の長さも想像できるでしょう。
三番だけ「寒椿咲いた」の部分をを「寒椿散った」と変えてくるところも効果的。
一番から三番までの歌詞は説明的な歌詞ではなく、短い歌詞で言葉を極限まで省略して余韻から視聴者の想像に任せる歌詞となっていて、短いながらもストーリー性が感じられる説得力が素晴らしいと思いました。

何十年も歌い継がれる歌詞はこのような短い歌詞がほとんどですが、時代の流れかこのような短い歌詞は殆ど見られなく成ったのが寂しいと思います。

西洋の歌詞は直接的な表現ですが、日本語の歌詞は和歌や短歌のように余韻で表現する歌詞のほうが優れていると思います(歌詞を英訳しても外国人には理解できないとは思いますが・・・)。

動画は若いアイドル時代のもの。

コメント

  1. 只見つづり より:

    全くその通りだと思います。
    松本隆氏の「木綿のハンカチーフ」は私の永遠のバイブル。
    どうしてこんなフレーズが出てくるのだろう?と不思議に思うほど繰り出される言葉、圧倒されます。この人の曲と共に青春時代があった、と思います。前にもありましたが「君に、胸キュン。」これもまた松本氏の作品。「さざなみのラインダンス」だったり「まなざしのボルテージ」「罪作りな潮風」と言うようなあの頃にしては斬新な言葉の組み合わせ。時代の最先端を走っていましたね。
    24時間TVで阿久悠氏の特集やドラマをやっていました。この人もまた時代を作っていった一人です。
    数々の作品の中でも私のベストは「街の灯り」でしょうか。
    こんな詞はもう誰もかけない、と思います。
    今はやりの言葉で言うならお二方とも「神」ですね。
    長文になりました。すみません。

    あ、そうそう、ジングルベル、本当に今のメロディと違い、シンプルに聞こえますね。こっちのほうが聞きやすい気がします。
    でも、あと3か月もすると、毎日こんな曲が町中に流れるんですものね、時間がたつのは早いわぁ。

    • Clara より:

      コメント有難うございます。

      本文には書きませんでしたが、こういう歌詞が減ったのは日本語の語彙が減ったからではないでしょうか。
      例えば熟語一つで表現できることを丸々一行かけて表現したりとか。
      良い連作短歌は歌曲にもなりますし、今の中高生は万葉集から大正時代までも日本文学(出来たら旧字旧仮名)にもっと馴染んだほうが・・・と思うのですが、古い言葉を使っても意味が伝わらないという現実も・・・
      御存知でしょうが、淑嬪(すっぴん)は元々は別嬪(化粧や衣装で別人のように美しくなった)の対語で、別嬪と同じく褒め言葉、淑嬪は本来は化粧しなくても素で美人な人を指していました。
      それが現在では「化粧していない時の顔」に変化しています。これは江戸期からときたま誤用があったのですが。大正以降メディアが誤用してから本来の意味が抹殺されました。
      言葉を殺すも活かすも敎育次第と思っています。各種学校の入試は英数だけではなく、国語を第一に重視して選考して欲しいです。(因みに私の国語の成績は・・・いつもドベでした(笑)

      あ、そうそう、「花のワルツであたなとダンス」を先日、拝見しました。
      「ワルツとな。これは作らねば」と取り掛かったのですが、作りかけては破棄・・・の繰り返しで玉砕。頓挫しました。
      シロハター(^o^)/□パタパタ ヾ(ーー)ォィォィ
      プロの作曲家ならさっさと作り上げるんでしょうけど(^^ゞ

  2. 只見つづり より:

    そう、教育は大事。先生の影響でその教科が好きになったり、嫌いになったりしますものね。

    それから、「花のワルツであなたとダンス」うたまっぷのタイトルが間違えて記入してしまって「花のワルツであたなとダンス」と「あなた」が「あたな」になっちゃてて。(笑) はずかしぃ。そのうちなおしておきます。

    • Clara より:

      私も曲のタイトルを変更したのを忘れてYoutubeにアップしてしまうことが多々・・・
      面倒なのでそのままww